私の前職は三井系(財閥系)、(狭い)業界1、2位の東証一部上場企業でした。
福利厚生の制度もそこそこあったし、給与も低くなくて、むしろ世の中の平均よりは高い方だったと思います。
そんな見た目良さそうな会社を辞めた理由を振り返ってみます。
私が大企業を辞めた3つの理由
当時の転職エージェントへ提出したシートを引っ張り出して、転職の希望優先順位を見返すと、
- 経理職への復帰
- 長時間労働の緩和
- 経理として数値分析・改善・提案を行いたい
の3点でした。
私にとってはそれぞれ思い入れのある転職理由です。1つずつ解説してみたいと思います。
経理職への復帰
もともとは経理で入社した会社だったのですが、転職する前の最終的な所属は人事部でした。
連結グループの規模としては、2,000人くらいでしたから、全国に支社、支店があって転勤もあるし、職種が変わる異動もある、いわゆる普通の大企業でした。
経理を経験した後で、人事に異動した後で気づいたこと。
人事の仕事が自分には合わない。
人事って全社員の給与明細、賞与明細、評価、家族構成、表彰、懲戒処分、退職者の退職理由、はたまたどんなコネで入ってきたか、というような人事に関するあらゆる情報が見られるので、その手の情報が好きな人にはたまらない部署なんですね。(当然人事部員としての守秘義務はありますが…)
コネのところで言うと、損保会社の役員の娘さんや、生保会社の役員の息子さんってのは分かりやすい例かもしれません。
ちなみにコネ入社だから能力が低いというわけではなく、私が接した人でいうと基本的には能力の高い人が多かったですし、コネ入社だからこそ?謙虚な方が多かった印象です。(そうでない人もいましたが…)
人事の仕事の何が合わなかったかというと、
①規則に沿った業務しかできない
まあ当然といえば当然なのですが、人の給料や処遇にかかわるので少しでも柔軟に対応してしまうと、それが色々なところで歪みを作ってしまうからですね。
しかも人事に関する規則を全て知らないと業務に漏れが出る可能性もありますから、社内規程類は当然頭に入っている必要があります。
一方で、経理も「財務会計」はそういった面が大きいですが見積りといった要素が入るところもあってファジーな部分もありますよね。
②しかも、それを少しも間違えてはいけない
大袈裟な言い方かもしれませんが、人事にはその人の人生に影響する可能性がある仕事があります。
例えば給与の振り込みを間違えたら、当日中に住宅ローンの支払いができずに住宅ローンが打ち切りになってしまうかもしれない。(実際には即座にそうはならないでしょうけど…)
あるいは評価の入力を間違えたら、昇格が遅れて給与の上がり方が遅れて生涯年収に影響があるかもしれないし、そのせいで会社を辞めてしまうかもしれない。(人事が信用できない会社って嫌じゃないですか?)
その点、経理は間違えても自分から振替伝票で直せるし、種類によっては決算振替で直してもらえる。あとは最悪、税務調整で直せる。そういった意味では若干いい加減な自分には人事より経理の方が合う職種だと考えていました。
長時間労働の緩和
これは200時間残業の記事でも書きましたが、労働時間がひたすら長い、そしてプライベートの時間が一切ない。

この状態は人事に異動した後も続いていました。
友人の結婚式も出席を断らずを得なかったですからね…(ゴメン)
経理として数値分析・改善・提案を行いたい
これは先の2つの理由に比べるとポジティブな理由ですね。
財務会計は、必ず会社法や金融商品取引法の枠内に納める必要はありますが、その会社の経理は本当にそれだけを目的としていて、変化することができない部署だったんですよね。例えば、
- エクセルの計算式ですら変えることに難色を示す。
- ピボットテーブルを知らない
- 外部の意見を取り入れない(転職者に異様に冷たい)
- メンテナンスできないマクロを使い続ける
もちろん今までやってきたことを変えたら、それが正確かどうかの検証が必要になりますから、忙しい人にとっては一苦労ですよね。
でも、今持っているものを手放さないと価値のあることに取り掛かれませんから…
業務改善は手段として、理想は財務数値を見て、会社の問題点や伸ばすべき点に対して提案や対処する行動を取る。
そんな経理になりたいと思っていたのでした。
まとめ
当時はいろいろな不平不満は持ちつつも、転職の理由として一番大きかったのは、
経理職への復帰
でした。
なんやかんや言っても好きな仕事だったということなんですね。
私の転職への考え方としては、
嫌いなことや自分に合わないことを仕事にしなければならないとしたら、転職した方がいいと思います。
もちろんどんな仕事であっても嫌いなことや自分に合わないことが含まれる可能性はありますが、その割合が耐えられないほど多いとしたら転職をオススメします。
それって多分あなたの仕事ではなくて、それが合っている、あなた以外の人の仕事なんですよ。
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